URUSHI DICTIONARY
奈良県吉野郡下市町産の*春慶塗。慶長年間(一五九六ー一六一五)に坂口又五郎により始められ、天保(一八三〇ー四四)頃には漆工が百戸に及んだといわれる。明治に入って粗製濫造となり衰微した。*下地は小麦粉糊を用いた簡単なものであり、また*上塗漆のまだ乾かぬうちに櫛形の歯で波状に引っ掻いた波突といわれる技法がある。