ウルシオール
漆液の主成分となるもので、これを多量に含むものほど優良の漆液といえる。化学式はC21H32O2で、漆の乾燥や塗り面の堅牢度に大きく関係している。つまりゴム質中の*ラッカーゼが酸化触媒作用を起し、空気中の酸素を吸収してウルシオールが酸化して固化するのが漆の乾燥なのである。なお初めは*吉田彦六郎により漆酸と命名されたが、のちフェノールの一種であるということで*真島利行がウルシオールと改名した。また*アンナンウルシ、*ビルマウルシ、*カンボジアウルシなどでは主成分の化学式が少し異なり、それぞれラッコール、チチオール、モリコールと称されている。