URUSHI DICTIONARY
*惟喬親王(八四四ー八九七)が近江国愛智郡小椋郷に隠棲した際に設けた、全国の*木地師の総取締所。当時の小椋郷筒井は近隣の木地師が寄り集まって大集落を形成しており、親王はこの筒井公文所より木地職の免状を下付けして、筒井を去って他の山へ移る際には全国交通許可の鑑札を出し、また全国どこの山でも 採してもよいという特典を与えるなどして、木地師の保護にあたった。こうして木地師は北は奥羽から南は九州までわたり、これが漆器生産地の形成に大きな役割を果たした。