URUSHI DICTIONARY
鎌倉時代、*平助永の作。重文。形は胴張形甲盛りで、錫の*置口がある。意匠は古歌「住よしの松のひまより見るときは月落かかる淡路島山」に因んだもので、蓋表は*黒塗で松と松の間に朱塗で鳥居を描き、さらに弦月、島、雁千鳥などを配している。側面には須磨の塩屋に松、千鳥小舟などを、また蓋裏には海中の小島に松と松喰鶴六羽を金銀で*研出蒔絵にしている。なお蓋裏に安貞二年(一二二八)の銘があり、製作年代の明らかなものとして漆工史上貴重な作である。日光輪王寺蔵。