春慶塗(しゅんけいぬり)
*透明塗の一種。黄色ないし紅色に着色した*木材素地に*透明漆(*春慶漆)を*上塗して、漆の膜を通して*木地を表わしたもの。黄色の着色は山梔や*雌黄を用いて黄春慶と呼ばれ、紅色と呼ばれ、紅色は紅殻や洋紅を用いて*紅春慶と称される。*下地法には生渋、* 、姫糊、豆汁などの種類がある。歴史的には応永(一三九四ー一四二八)頃に、堺の漆工春慶が考案したものといわれる。その後寛永年間(一六二四ー四四)に飛騨に*飛騨春慶がおこり、さらに延宝年間(一六七三ー八一)には能代に飛騨の漆工*山打三九郎が春慶塗を伝え、*能代春慶がおこったといわれる。そのほか*栗野春慶、*吉野春慶、*木曽春慶、*日光春慶などがある。