渋下地(しぶしたじ)
生*渋に*炭粉を加えた*地炭を*素地に塗った上に地炭を塗ることもあり、また塗り面を渋と*松煙を混ぜたもので研いだりもする。さらには炭粉を使わないで松煙、*油煙、紅殻などを柿渋に混合した色渋を塗ることもある。概して渋下地は*漆下地に比べて材料が安く、かつ*膠下地などよりは比較的丈夫であるところから日用の器などに多く施される。生渋はまた漆が素地にしみ込むのを防いで、*上塗をよくする効果もある。渋下地を施した漆器には*川連漆器(秋田県)、*会津漆器(福島県)、飯田漆器(長野県)、*魚津漆器、(富山県)、*河和田漆器(福井県)、黒江漆器(和歌山県)などがある。石川県の*山中漆器も今日では*カゼイン下地に切り替ったが、かつては渋下地として名高かった。