仙台漆器(せんだいしっき)
仙台の漆器製造は古く、伊達政宗の開府以前にすでにあったとされる。伊達氏が仙台に居を移してからは、累代の藩主がその保護奨励を行い、特に五代将軍綱吉の時代(一六八〇ー一七〇九)には著しく発達し、*蒔絵の名工松立斎を出した。明治維新後は甚しく衰微したが明治中期より復活し、大正時代には県立工業学校や工業試験所に漆工科が置かれ、漆工の養成が行われた。漆器はホオ材の*板物素地に*青貝塗、*根来塗、*東華堆朱などを施したものであったが、今日ではむしろ*玉虫塗の生産が多い。また仙台木地蠟塗はもっぱら簞笥に用いられ、仙台簞笥として知られる。