藍胎(らんたい)
竹を裂いて表皮を取り除き、縦割にした任意の幅のヒゴをカゴ目に編んだものを漆器の*素地としたもの。またそうした漆器を藍胎漆器と称する。竹は弾性に富んで曲げに強く、また湿度変化によって狂いを生じることもないので、藍胎漆器は軽くて丈夫なのが特徴である。*楽浪漆器にすでに見られることから、中国においては漢時代以前から行われていたと思われ、わが国では正倉院の御物に数々の名作が見られ、ことに銀平脱漆胡瓶が名高い。またビルマやタイの漆器はほとんどがこの藍胎漆器である。今日のわが国では久留米や高松において作られている。藍胎に漆を塗る場合には編み目を塗りつぶす方法と、編み方を生かす方法の二種類あるが、久留米の方は編み目を生かした方法が多く、高松は塗りつぶして*蒟醤や*存星による装飾を加えたものが多い。