URUSHI DICTIONARY
秋田県能代市産の*春慶塗で、*飛騨春慶と共に最良の春慶塗として並び称される。その起源には諸説があり、『工芸志料』によると延宝・天和(一六七三ー八四)の頃に飛騨の工人*山打三九朗が来て伝えたとされ、また一説には水戸の佐竹侯が秋田に移封の際に*粟野春慶と酷似している。さらに宝永年間(一七〇四ー一一)に石岡庄寿郎が春慶塗を考案し、以後代々藩主より俸禄を受けたとも伝えられる。今日では春慶塗を行うのは一家のみで、その製法も一子相伝とされている。