日光漆器(にっこうしっき)
栃木県日光市産の漆器には、*日光彫の家具や調度品、日光盆、*日光春慶の膳、曲物の飯器、日光山中の楓葉を用い*彩漆をつけて転写して研ぎ出した*紅葉塗などがある。この地は建保三年(一二一五)に二荒小神社が建立された頃には、参拝者相手の土産品として曲木飯櫃やくり膳などの漆器が作られており、その後寛永年間(一六二四ー四四)の日光廟造営に諸国より集まった工人が、竣工後も永住して基礎が築かれた。また元禄時代(一六八八ー一七〇四)には公弁法親王が産業奨励のため、現在の日光の近郊に漆樹を植えて御漆園と呼ばれ、この頃から本格的な漆器生産が始まった。