URUSHI DICTIONARY
新潟県村上市より産する漆器で、中国の*堆朱あるいは*堆黒を模して、木彫に朱漆や*黒漆を塗ったものである。村上の漆器は応永(一三九四ー一四二八)の頃に京都から来て寺院建築に従事した漆工により始められたと伝えられ、享保年間(一七一六ー三六)にはすでに*木彫堆朱、堆黒を産していた。文政(一八一八ー三〇)頃からは江戸詰の村上藩士が公務の傍ら堆朱、堆黒を伝習して藩中に伝え、次第に発達して*有機周斎のような名工を輩出した。