曲物素地(まげものきじ)
木材の薄片を曲げて側面を作り、それに底板や甲板をつけて*素地としたもの。材料は檜、杉、サワラ、朴、桂材などで、特に檜を使ったものを檜物ともいう。製作工程は、まずこれらの薄板を蒸煮して柔かくし、円形や楕円形の木型にそって曲げ、両端の重なりを木 ではさんで乾燥させる。十分に乾燥したら外側の末端の両角を斜めにR型に削って割裂を防ぎ、合わせ目を米糊(そくい)で接着する。その上に樺皮で縫い綴じをし、木質の膨脹を利用して縫止めする。こうして側面の曲輪ができたら、その厚さにみあう溝をつけた底板に叩き込み、外側から*刻苧を摺り込んで堅牢にする。