櫛指重（くしさしじゅう）

愛媛県今治市の*桜井漆器の特産とされている重箱。ヒノキ材を用いて、四方の組方を細かく幾重にも櫛歯状に組み指したものである。塗は内部と底面を普通の*渋地*黒塗にし、外部は*砥の粉と姫糊の混合物を刷毛塗して湿布で　い目留したあとに、紅殻を混合した赤渋を二回塗り*春慶漆で*上塗したものである。文化年間（一八〇四ー一八）に桜井村の月原紋三郎と四条の塗師により作られたのが始まりといわれる。