高温硬化法(こうおんこうかほう)
漆の乾燥法の一種。摂氏百度から百二十度以上の高温を加えて、短時間で乾燥硬化させる方法。この方法によれば*ラッカーゼの活力では乾かない漆や、普通の温度、湿度では乾かない漆でも短時間で重合硬化する。ただし高温を加えるのでどんな漆器にも適するというわけではなく、主に金属を*素地にした漆器に用いられる方法である。この方法を応用したのが*焼付け法と呼ばれるもので、昔から鎧、兜、馬具、刀剣、小道具などに漆を固着させるのに用いられた。こうして乾かしたものは非常に堅牢で耐久力が強く、また透明で変色がなく、漆特有の臭気も残らない。