幸阿弥家(こうあみけ)
室町中期の東山時代より江戸時代にかけて、代々将軍家に仕えた蒔絵師の家系。土岐四郎左衛門*道長が入道して幸阿弥と称したのが始まりで、二代*道清・三代*宗金・四代*宗正・五代*宗伯・六代*長清・七代*長晏・八代*長善・九代*長法・十代*長重・十一代*長房・十二代*長救・十三代正夆・十四代道該・十五代長好、そして十六代長周まで続いた。始めは足利家に仕えていたが桃山時代になって六代、七代は豊臣秀吉に仕え、八代以降は徳川家の*蒔絵師となった。各代を通じて天皇即位や将軍家・諸大名の婚礼などの際に、調度を製作し、その作風は室町以来の各種の伝統的技法を駆使したもので、宋元画の影響を受けた大和絵風の絵柄が多かった。六代長清・七代長晏・十代長重らが名工とされている。なお初代道長より十二代長救までは各項参照。