URUSHI DICTIONARY
承和十一年ー寛平九年(八四四ー八九七)。*木地師の祖神として小野宮太皇器地祖神社(近江国愛知郡小野荘君ケ畑村)に鎮座し、崇められている。文徳天皇の第一皇子であったが、母方の紀氏が藤原氏に対して勢力が弱く、皇位を弟宮の惟喬親王(清和天皇)に譲って近江国愛知郡小椋郷に隠棲した。当時小椋郷筒井は近くの木地師が寄り集まって大集落をなしており、親王はここに全国木地師の総取締所として*筒井公文所を置いて、木地職の免状を下付するなどその保護にあたった。