金箔絵(きんぱくえ)
タイ国特有の、金箔を用いた加飾法。まず下絵の輪郭を針穴で表わした紙を器物にあて、白粉を軽く叩いてん文様を印する。次に文様以外の部分を、黄粉にヤンマクィト樹の樹脂などを加えた液で塗り潰す。そして水分のない*黒目漆を全面に*摺漆して箔を置き、漆の乾固後に水に湿した布片で前の樹脂を溶解させて、金箔の文様だけを得る。バンコックを中心に王宮寺院の装飾をはじめ一般にも広く行われている。なおビルマにも金箔絵があるが少し製法が異なる。アラビアゴム溶液に顔料を添加し、金属ペンや毛筆で文様を描く。その上に加熱した黒目漆を摺って金箔を付着させ、最後に文様以外の箔を水で洗い落して仕上げる。