URUSHI DICTIONARY
天保元年ー明治四十三年(一八三〇ー一九一〇)。浅草永住町に生まれ、幼名平右衛門、通称源次郎。十二歳で幸阿弥因幡の仕手頭武井藤助の門に入り、伝統的な*蒔絵を学んだ。明治二十九年帝室技芸員を命ぜられ、翌三十年東京美術学校教授。また同年宮内省より製作を命ぜられ、六か年を費して完成した「菊花蒔絵書棚」は彼の代表作。その他に「藤牡丹蒔絵手箱」などがあり、正しく幸阿弥派の伝統を伝える一人であった。