URUSHI DICTIONARY
奥羽地方で作られた大形の椀。高倉天皇のとき(一一六八ー八〇)に陸奥の押領使藤原秀衡が、工人に命じて*彩漆文様に切箔を押した椀を作らせたと伝えられるが、今日中尊寺に現存しているのは桃山時代以後の作と思われる。意匠は内部を*朱塗、外部を*を黒塗にし、黒塗の地に朱漆で雲形や菊花などを描き、雲形の部分に菱形や短冊形の大きな切箔を置いたものである。後世茶人に好まれ、また大正時代にはこの秀衡椀の意匠を復活して*秀衡塗が再興された。